Tour of Britain-カンタベリー2006年09月02日 00:46

スタート前の世界チャンピオン ボーネン
今日はTour of Britainを観戦しに、Doverに近いRochester(ロチェスター)とCanterbury(カンタベリー)へ行く。まずはスタート地点のロチェスターへ向かう。朝7時に家を出て、高速を走り、テムズ川の河口近くににかかるQueen Elizabeth Bridgeを超え、約2時間で到着。スタート地点であるRochester Castleにはすでにチームカーが到着しており、Phonakチームのアクセル・メルクスにYuが声をかけると手を振ってくれた。Quick Stepチームの車には世界チャンピオンのトム・ブーネンの姿が見える。イギリスで自転車レースはベルギーやフランスほど人気はない。フランスやベルギーでは一般の観客とはバリケードで仕切られて、選手にはなかなか近づけないが、ウソのように選手の傍まで近づける。選手や自転車をながめる。Britishチームは全員がSRMのパワーメータを使っている。Phonakチームは、PowerTapのコンピュータのみを取り付けていた。今日はハブは使っていない。
 レーススタート30分前で、かぶりつきのポジションでスタートを見る事ができた。オランダ、ベルギー、フランスでは2時間前に行かないとこのポジションを押さえる事ができない。
出走サインに来る選手に声をかける。イゴール・アスタルロア(2003世界チャンピオン)、マチアス・ケスラー、トム・ブーネン(2005世界チャンピオン)、フィリッポ・ポッザート、カルステン・クローン、マイケル・ロジャース(2005TT世界チャンピオン)、が前を通り過ぎていく。野寺選手の所属するSkilチームの選手に声をかけ、”野寺選手は今日はどうした?”と聞くと“彼は今日はトレーニングだ”、”リタイアしたの?””そうなんだ。知り合いかい?野寺に伝えておくよ“。気さくな選手で、名前を伝えてくるよう頼んだ。
隣で一緒に見ていた老夫婦は、選手のことは全く知らないようで、僕の説明を聞きながら笑っていた。世界チャンピオンのブーネンが前を通った時に興奮しながら「この選手は世界チャンピオンで、あの虹色のジャージはチャンピオンだけが着られるんだ」と言うと、「世界チャンピオンね。そう言われれば、どれほどすごい選手かわかるわ」と笑った。2003年の世界チャンピオンのスペイン人、アスタルロアも声をかけるとなぜか”Ciao”とイタリア語で答えた。

10時半にレースはスタート。Rochesterの旧ドックヤード(史跡)をまわり、RochesterCastleの前をもう一度通過する。Castleの城壁の見張り窓から選手達を待っている間、隣で見ていた女性二人と話を始める。一人はマスコミのリポーターでもう一人は老婦人。二人ともレースが大好きで、Rochesterと日本との接点についても教えてくれた。徳川家康の相談役となったウイリアム・アダムス(三浦按針)の出身地がこのすぐ近くのジリンガムが出身だとのこと。また今日のゴール地点のカンタベリーにもついても教えてくれた。出身大学がカンタベリーで、街には特別の思い入れがあると言っていた。選手達が通り過ぎると、スコットランドのバグパイプ楽団が演奏をしながら街を歩き始める。ベルギーでもフランスでも自転車レースがやってくる街は、お祭りになっていたが、それはイギリスでも同じで、レースが通り過ぎると街ではお祭りが始まった。
街の女の子達のダンスグループ、バトンチーム、中国人の獅子舞と街は大いににぎわっていた。Yuは「なんだか、なごやかな街だねぇ」、「それを言うなら、にぎやか、だよ」。
ちょっと街の中を歩き、車に乗り今度はゴール地点のカンタベリーへ。距離は約35マイル(51キロ)。30分ほどで走り、高速をおりると、もうすぐにゴール地点である。
カンタベリーは世界遺産であるカンタベリー大聖堂で有名な街。大聖堂の近くの駐車場に車を止め、ゴール地点までの約1kmを歩く。ゴール地点は、イベントや、自転車店の出店が出ていてにぎわっている。SRMのパワーメーター体験コーナーがあり、イギリスではパワーメータがかなり身近なトレーニング機器である事を伺わせる。ジャイアント社のブースでピラー一体型のフルカーボンのTCRの完成車を持たせてもらったが、驚きの軽さだった。これほど軽い自転車は初めてである。Budoriのアマンダはこれに比べると、オール鉄製自転車である。いくら剛性第一と言っても、この軽さが強力な武器である事は間違いない。この軽さにはすっかり虜になってしまった。
ArmyCyclingチーム(イギリス陸軍の自転車チーム)もブースを出しており、イギリス軍の活動をアピールしていた。こちらではイギリス軍が一般へのアピールのためのデモ活動が多い。リクルートも兼ねているのだが、戦車シミュレーターで敵戦車を破壊するゲームを子供にさせるのである。これもどうかとは思うが、自転車チームとして活動を紹介しているのなら、まだ穏やかでいい。
ひととりブースを見終わり、レース観戦場所の確保のため、コースへ向かう。ゴール前100mの
地点に場所を確保する。よりよく観戦できる位置確保のために、隙あらば間に割り込んでくるフランスやベルギーと違い、場所確保の競争は殆どなく、余裕を持ってレース観戦ができた。
強風とコース間違いがあり、予定より約1時間遅れて選手達がやってきた。T
モバイルのイギリス人選手マーク・キャベンディッシュが先行を始めたが、クイックステップのフランチェスコ・キキ選手がギリギリのタイミングでさした。キキがステージ優勝。世界チャンピオンのブーネンは、CSCのヤコブ・ピールと話をしながらゆっくり遅れてゴール。このレースは9/24の世界選手権のための調整なのかもしれない。表彰台もすぐ近くで見る事ができた。オックスフォードの家から日帰りで、レース観戦ができ、しかも余裕を持って見る事ができ、充実の一日だった。明日は最終ステージのロンドン。コースは、ビッグベン、タワーブリッジ(船を通すために橋が上がる有名な橋)、バッキンガム宮殿も通過する。あの大都市の中心部を選手達が走り抜け、大観衆で通りが埋まる事を想像すると、ワクワクする。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://budori.asablo.jp/blog/2007/01/19/1122504/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。