Boucles de La Mayenne5 ― 2006年06月18日 22:13

レース最終日。今日、チームは総合1位の座を守らなければならない。選手達はそれほどでもなさそうだが、サポートしているbudoriは緊張する。
第3ステージ(6/17)はLe HorpsからLavalまでの164km。今日は総合リーダーなので、サポートカーNo.は1。審判車のすぐ後ろで、集団の様子もよく見える。第1ステージのNo.16から、総合成績と共にここまで上がってきた。前夜のミーティングで、浅田監督の言った「明日は総合リーダーを守らなければならない。一人少ないハンデを他チームは必ず突いてくる。自分たちの力で集団をコントロールできるチームになる、というのが今年の目標のひとつであった。明日はその最初のテストになる」という言葉に完璧に応えるレースとなった。総合を守るために、敢えて総合に関係のないアグリチュベルのBarauskas選手(リトアニアチャンピオン)のブレークを成功させて、康司選手は温存し、晋一選手、新城選手、宮澤選手、佐野選手がタイム差を広げるように先頭で集団の主導権を握る。タイム差が総合成績に危険なタイム差に近づくと集団のスピードを上げる。スピードアップによってヨーロッパの各チームの選手達が次々と切れ始める。切れていく選手をサポートカーで抜かす際には、敵チームながら「がんばれ」と声をかけたくなるが、彼らをここまで苦しめているのはTeam Vangである。赤と白と青のジャージが集団の先頭に常に位置して、活発に動こうとする集団を完全にコントロールしている。純日本チームが、本場フランスのプロチームを相手に真っ向勝負をして、レースを支配しているのである。フランスの青い空、照りつける太陽の下、日本からやってきたTeam Vangに支配され色とりどりに美しくまとまった集団は、どこまでも続く麦畑の丘をつきぬけてゆく。こんな光景は今までどんな映像でも見た事がない。
「このまま無事リーダーを守りきれるのではないか」、と思い始めたゴール手前約30kmでリーダーの康司選手がなんとパンク!。ゴールのLavalの街に入る直前である。「康司がパンク、全員下がって康司を集団に戻す」、無線による浅田監督の指示で、集団の先頭にいたTeam Vangの選手全員がホイール交換で遅れた康司選手のもとまで下がり、全員で先頭交代しながら康司選手を集団に戻す。この時の鬼気迫る彼らの表情を見て、サポートカーからは何も声をかける事ができなかった。ゴールは再びLaval市で、市の中心部を6周してLaval駅前でゴールする。Lavalの周回コースに入る直前に康司選手と共にVangの選手全員が集団に復帰した。Laval市内を流れるMayenne河岸の直線を走り、市の中心部を6周回するコースレイアウトは、さながらセーヌ川の河岸からシャンゼリゼに入るツール・ド・フランスのプロトンそのままである。このレースに参加しているチームはいずれもツール・ド・フランスに参加できるチームを目指し、UCIポイントを積み重ねていこうと必死のチームばかりである。Lavalの街に入ってから、総合成績で2~10位までに位置し、タイム差が34秒~60秒範囲内に入っている選手達の波状攻撃が始まる。これまではコントロール下にあってアタックする隙を見いだせなかったが、レースの最後まで1チームで集団をコントロールしきる事の難しさを知っている彼らは、ここを最後の逆転のチャンスとして、突破しようとしているのである。集団に追いつくために足を使ったVangの選手達には最後の試練である。超ハイスピードの集団は常に一列棒状で、持ちこたえられない選手達が次々と切れてくる。集団の先頭で熾烈な攻撃をつぶし続けているVangから、4周目半ばでついに佐野選手が集団から切れる。ゴール直前の最終周回半ばで晋一選手、宮澤選手が集団から切れる。最後に残った新城選手はゴールまで康司選手に付いて他チームの攻撃をしのぎ切り、ついに康司選手はリーダーを守りきってゴールした。
最終日はチームとしてこの一年の成長の集大成を見せる日となった。表彰台で康司選手が吹くハーモニカに合わせて地元フランスの観客達が手拍子をしながら歓声を送る光景を見て、また表彰台で、康司選手が他チームの選手から「君のチームにおめでとうと言いたい」と言われた事を聞いて、レース後にちょっとした感慨に耽った。
Mayenne河岸のレストランで、みんなでささやかな祝勝食事会となった。BudoriはGalletというクレープ皮の中にクリームソースと一緒になった挽肉とキノコを包んだブルターニュ地方の地元料理を食べた。これがおいしかった!
今晩は福島選手の下宿に泊めてもらう事になり、ルーアン(Rouenne)近くまでの約400kmを走った。途中でLe Mansのサービスエリアで休憩し、コーヒーを飲もうと店にはいると、ちょうどワールドカップの予選をテレビで流しており、おりしもフランス対韓国で、引き分けとなった試合だった。フランス人達が怒り始めていて、福島君が「これは早く出ましょう」と言い、そそくさと店を出る。ちょうどLe Mansの24時間レースがあった日らしく、スポーツカーに乗ったイギリスからの車が多く走っていた。途中、ルーアンを通り過ぎると、河岸の市庁舎がライトアップされて、川面に浮かび上がっている景色を見る事ができた。ホントに美しく、家族を連れてまたフランスに来たい、と思った。
第3ステージ(6/17)はLe HorpsからLavalまでの164km。今日は総合リーダーなので、サポートカーNo.は1。審判車のすぐ後ろで、集団の様子もよく見える。第1ステージのNo.16から、総合成績と共にここまで上がってきた。前夜のミーティングで、浅田監督の言った「明日は総合リーダーを守らなければならない。一人少ないハンデを他チームは必ず突いてくる。自分たちの力で集団をコントロールできるチームになる、というのが今年の目標のひとつであった。明日はその最初のテストになる」という言葉に完璧に応えるレースとなった。総合を守るために、敢えて総合に関係のないアグリチュベルのBarauskas選手(リトアニアチャンピオン)のブレークを成功させて、康司選手は温存し、晋一選手、新城選手、宮澤選手、佐野選手がタイム差を広げるように先頭で集団の主導権を握る。タイム差が総合成績に危険なタイム差に近づくと集団のスピードを上げる。スピードアップによってヨーロッパの各チームの選手達が次々と切れ始める。切れていく選手をサポートカーで抜かす際には、敵チームながら「がんばれ」と声をかけたくなるが、彼らをここまで苦しめているのはTeam Vangである。赤と白と青のジャージが集団の先頭に常に位置して、活発に動こうとする集団を完全にコントロールしている。純日本チームが、本場フランスのプロチームを相手に真っ向勝負をして、レースを支配しているのである。フランスの青い空、照りつける太陽の下、日本からやってきたTeam Vangに支配され色とりどりに美しくまとまった集団は、どこまでも続く麦畑の丘をつきぬけてゆく。こんな光景は今までどんな映像でも見た事がない。
「このまま無事リーダーを守りきれるのではないか」、と思い始めたゴール手前約30kmでリーダーの康司選手がなんとパンク!。ゴールのLavalの街に入る直前である。「康司がパンク、全員下がって康司を集団に戻す」、無線による浅田監督の指示で、集団の先頭にいたTeam Vangの選手全員がホイール交換で遅れた康司選手のもとまで下がり、全員で先頭交代しながら康司選手を集団に戻す。この時の鬼気迫る彼らの表情を見て、サポートカーからは何も声をかける事ができなかった。ゴールは再びLaval市で、市の中心部を6周してLaval駅前でゴールする。Lavalの周回コースに入る直前に康司選手と共にVangの選手全員が集団に復帰した。Laval市内を流れるMayenne河岸の直線を走り、市の中心部を6周回するコースレイアウトは、さながらセーヌ川の河岸からシャンゼリゼに入るツール・ド・フランスのプロトンそのままである。このレースに参加しているチームはいずれもツール・ド・フランスに参加できるチームを目指し、UCIポイントを積み重ねていこうと必死のチームばかりである。Lavalの街に入ってから、総合成績で2~10位までに位置し、タイム差が34秒~60秒範囲内に入っている選手達の波状攻撃が始まる。これまではコントロール下にあってアタックする隙を見いだせなかったが、レースの最後まで1チームで集団をコントロールしきる事の難しさを知っている彼らは、ここを最後の逆転のチャンスとして、突破しようとしているのである。集団に追いつくために足を使ったVangの選手達には最後の試練である。超ハイスピードの集団は常に一列棒状で、持ちこたえられない選手達が次々と切れてくる。集団の先頭で熾烈な攻撃をつぶし続けているVangから、4周目半ばでついに佐野選手が集団から切れる。ゴール直前の最終周回半ばで晋一選手、宮澤選手が集団から切れる。最後に残った新城選手はゴールまで康司選手に付いて他チームの攻撃をしのぎ切り、ついに康司選手はリーダーを守りきってゴールした。
最終日はチームとしてこの一年の成長の集大成を見せる日となった。表彰台で康司選手が吹くハーモニカに合わせて地元フランスの観客達が手拍子をしながら歓声を送る光景を見て、また表彰台で、康司選手が他チームの選手から「君のチームにおめでとうと言いたい」と言われた事を聞いて、レース後にちょっとした感慨に耽った。
Mayenne河岸のレストランで、みんなでささやかな祝勝食事会となった。BudoriはGalletというクレープ皮の中にクリームソースと一緒になった挽肉とキノコを包んだブルターニュ地方の地元料理を食べた。これがおいしかった!
今晩は福島選手の下宿に泊めてもらう事になり、ルーアン(Rouenne)近くまでの約400kmを走った。途中でLe Mansのサービスエリアで休憩し、コーヒーを飲もうと店にはいると、ちょうどワールドカップの予選をテレビで流しており、おりしもフランス対韓国で、引き分けとなった試合だった。フランス人達が怒り始めていて、福島君が「これは早く出ましょう」と言い、そそくさと店を出る。ちょうどLe Mansの24時間レースがあった日らしく、スポーツカーに乗ったイギリスからの車が多く走っていた。途中、ルーアンを通り過ぎると、河岸の市庁舎がライトアップされて、川面に浮かび上がっている景色を見る事ができた。ホントに美しく、家族を連れてまたフランスに来たい、と思った。
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