Beneke教授2007年01月08日 01:13

Essex大
 Essex大のBeneke教授を訪問するため、朝7時半に車で家を出る。M40-M25-A12と走り、Essex大のあるColchesterに到着したのは、11時頃。ちょうどいいくらいの時間だ。車を停めて、まずはレセプションに行く。時間までカフェでココアを飲みながら、もう一度資料の内容を確認。12時に先生がレセプションまで迎えに来てくれた。写真で見ていたよりもずっと若々しく、背が高い。研究室まで連れて行ってもらい、早速話を切り出す。

自己紹介と、これからやろうとしていること、そのためにこれまでやってきたことから始める。先生も過去の研究ノートを見せながら、僕も同じデータを取っている、などと話す。途中で「ちょっと待って」と質問しかけたが「いや、まず話を全部聞こうか」と言うので、また話を続ける。途中で、今budoriが考えているモデルの説明と、数式の説明を始めると、全て話し終わっていないが、いろいろと質問や解説を始めた。BudoriとBeneke教授が研究対象とする現象は同じで、その数値モデルの骨格も同じあるが、その数式の作り方が違う。Beneke教授のような理論を積み上げながら作っていくのが、科学的見地からは理想で、非常に洗練されたモデルである。体内で起こっている反応を理解し、新しい考えを導くのには非常に役に立つ。
しかしそれが必ずしも現場で生かしやすいモノであるとは限らない、というところに工学エンジニアが入る余地がある、と考えている。
そういう手法、モノの考え方で研究を進めていることを説明したが、そこは先生はわかっていて、理論に基づいた実践的なアドバイスをしてくれた。
自分のモデルのある変数について「生理学的見地から、こういった変数の使い方は可能だろうか?」と聞くと、「うーん、かもしれない、としか言えない。誰もそれはわからない。その考え方で進めてもいいのかもしれない」。「生理学の分野で、このようなアプローチをしている研究者は先生を含めて2人しか知らない。他にいますか?あまり一般的なアプローチ法ではないと思いますが」、「いない、私だけだ。このようなアプローチはこの分野では馴染まない」。このふたつが聞ければ十分満足である。
「非常に面白い研究で、この結果は自分にとっても役立つ」と言われ、嬉しかった。ほとんどの時間を数式モデルの解釈と、考慮すべきパラメータの話で終わった。専門家は、細かく説明しなくてもすぐに理解する。最後に「Fatigueはキラーポイントだ。深入りしないようよく注意した方がいい」とアドバイスしてくれた。うーむ、これは深いな~。

オックスフォード大の力2006年12月14日 00:29

 担当教授であるUwe に、今後の大学の滞在スケジュールについて話をした。3月の始めには帰国するので、大学の講義を受けるのは今月で終わりにしようと思う、と話すと、Uweは、日本に帰る直前まで大学に来るよう便宜を図ってくれると言ってくれた。大学の設備が充実しているので、できる限りこの設備を利用したいので、ホントにありがたい話で嬉しかった。。
その後、Radcriff図書館へ調べものに行き、すぐ帰る。今日は日本人研究者の懇親会があり、JerichoにあるFrevdへ行く。若者の多いJerichoにあるしゃれたレストランである。今日は隣に座ったYさんというポスドク研究者と話をした。ミトコンドリアの運動について研究をしているとのことで、面白そうな研究だった。庭園文化史を研究しているというMさんは、日本の庭園ではなくて、イギリスの庭園に興味があって、それでオックスフォード大に来ているとのこと。中世以降の庭園様式でつくられたWolfsonカレッジ(YuのNurseryのあるカレッジ)の庭園は素晴らしいと、言っていた。中世以前の庭園様式が残っているのが、Magdalenカレッジだそうだ。
分子生物学の研究をしているHさんからは、薬の効果を分子動力学で予測して、薬を開発するという全く新しい手法が、白血病の薬の開発で画期的な薬の開発につながった、と言う話を聞いた。従来の、細胞に投与して効果を確認するスクリーニング方法とは全く違うやり方で、新しい薬が開発できるようになった、と言う話は、違う分野の手法を応用した、また蓄積された知識と計算を融合させた、という点で、これからの研究者(自分も含めて)が進むべき方向だと、改めて思った。オックスフォード大は、こうした最も進んだ考えと技術をもった人達が集まっている場所で、こういう人達が集まってくる事、またこうした人々の交流による各分野での進歩による大学の更なるパワーアップ効果は測り知れない。

Dr.Hughes2006年11月23日 08:34

 今日はDr.HughesによるPerformance Evaluation の講義。講師は、スポーツの戦略評価を専門にしている機関の研究者で、評価を専門にしている先生。講義の中で、先生は1944年生まれであるが、6歳頃までパンやジャムの配給があった、と言っていた。それを機に、イギリスのサッカーリーグでの平均得点値が大きく下がった(5->3)。配給が必要なくなる程度まで食料の供給がよくなり、選手の体力が大幅に上がったのが原因とのこと。考えてみるとイギリスは戦勝国ではあるが、戦争で国が大きく疲弊したことには変わりない。第一次世界大戦時も同じだったはずだ。確かアメリカからの食料援助があった。

Dr.Thake2006年11月15日 08:25

 今日はLindyが紹介してくれる研究者のところへ行く。午前中に資料を用意して、2時半にLindyの研究室のあるRadcriff Infirmaryへ行く。Conventry大のLecturerのDoug Thakeで、年齢はかなり若そうだ。環境(温度、高度など)がパフォーマンスに及ぼす影響に関して研究をしているとのこと。自分がこれまで取ったデータ、結果の考察、これから考えていることなどを説明した。いろいろ質問をされたが、「非常におもしろい」と言われ、提案も受けた。後からLindyが入ってきて「おもしろい?」とDougに聞くと「おもしろい」と言っていた。こうしたちょっとした励ましがうれしい。

Dr. Newsholme2006年11月14日 08:24

 いつも通り授業だが、year1のみ。先生が来ないので、図書館に行き、パソコンを開いているとUweがやってきて、Dr.Newsholmeが来た、と教えてくれた。通常より遅く始まったDr.Newsholmeの講義。かなりの年配で、ちょっと一癖ある先生。学生に質問し、その答えに不満足だと、笑いながら”君の知識は40年前の生理学だね”とバッサリ斬る。後で、有名な本を書いている先生だと知った。